新日鉄住金、一時的な生産調整か……

 今日の日経朝刊15面(企業2)トップに、新日鉄住金がこの4−6月期、前期1−3月期比で1割、100万トンほどの粗鋼生産量を減らすと出ていた。前四半期が1100万だったというので、今四半期は1000万くらいになる。この水準は12年10−12月期以来で、当時円高でクルマ等の輸出向けが振るわなかったことによる。その辺はJFEでも似たり寄ったりで、目下検討中らしい。

 鉄鋼業界では昨春の消費増税後、国内の自動車販売が秋には持ち直すであろうと一旦は踏んだ。しかし、昨日発表の新車販売台数が3カ月連続でパッとしない数値で、2月末時点で薄鋼板の在庫が426万8000もある(!)。なのでここで一旦ブレーキを踏んで、スローダウンさせざるを得ないとしたようだ。

 減産の「ノルマ」(?)は、君津や鹿島その他の各製鉄所で「山分け」(?)で、確かに特定の職場に偏向させるわけにはいかない。ただ、在庫調整が進みさえすれば、7−9月期にはまた元に戻す見通しだという。

 12年10−12月期が民主党政権末期で、相当な円高だったのと逆に、今期はアベノミクス効果で、一服はしたものの依然120円近辺の円安だ。外部環境が180度違うのにこの同じ減産は、記事はなかったが、やはり中国勢の爆買いならぬ「爆作り」(?)が相変わらずな証左でもあろう。ただ、かの国との競争上「中国産が溢れてるから減産」とまでは言いづらい。そうだと余計に向こうを勢いづかせるだけだろう。