露ルーブル不安ひとまず後退だが……

 今日の日経朝刊19面(マーケット総合2)に、外為市場でロシアルーブルが対ドルで堅調だという記事が出ていた。1月31日にも取り上げたが、その前日30日に利下げをしたものの、依然かの国の金融政策は、タイミングの問題以外やるべきことがハッキリしている日米欧と違って、非常に難しかろうと思っていた。利下げをすればルーブルが売られ、利上げをすれば確かにルーブル安だけは回避されるであろうものの、国内経済を冷え込ませる……まさに「前門の虎、後門の狼」状態なわけで、なす術がなかろうと心配していた。

 しかし気が付かなかったが、この記事では3月中旬にも利下げしたとあり、にもかかわらずその前後は1ドル60ルーブル近辺をキープしている。非OPECナンバー2の産油国にも打撃な原油安、プラス、ウクライナ情勢による米欧の経済制裁もあって、昨年暮れにあわや80ルーブルという事態にまでなったことからすれば、一息ついた形だ。

 これについて、一部のシンクタンクでは「ヘッジファンド等の短期筋によるルーブル買いだ」という。原油価格も一頃よりは、1月15日にまとめたバンカメの予測が大ハズレなくらい(?)安値不安が後退したし、ウクライナ情勢の方も緊迫どころか収束に向かいそうだし、どうもルーブルの出遅れ感に着目したようだ。

 ただし、先行き不透明感が払拭されたわけではなく、6月のOPEC総会と、米FRBがいつ出口戦略に動くかの2点が焦点だという。OPECが頑なに減産を拒み続ければまたぞろ原油安、FRBが利上げ等の引き締めに動けばドル高……それらが必至の情勢になれば再度のルーブル不安に苛まれる。