年の瀬の一気の引き締めは性急だったか!?……露利下げ。

 同じく日経朝刊7面(国際2)、丁度米GDPの記事の左隣に、今度はロシア中銀が昨日の政策決定会合で、主要政策金利を17%から15%に引き下げる決定をしたと出ていた。原油価格下落が原因で進んだ通貨ルーブル安があまりにも深刻だと、ついひと月半前の12月16日に10.5%から一気に17%に引き上げたばかりだが、「いくら何でもちょっとやり過ぎた」というわけだ(?)。

 確かに一気の引き上げ後、ルーブルは対ドルで50ルーブルまで戻したが、年越しを待たずにまた下げ始め、結局引き上げ時と同じ水準の70ルーブルまで売られていた。そして26日現在のインフレ率が年率換算13.2%と、昨年12月の11.4%以上なので、利上げをしないまでもよもや利下げだけはしまいとの見方が大勢だったという。

 そもそもルーブル防衛のための利上げだったが、やはり多くの銀行・一般企業の倒産につながる懸念があっての今回の利下げだ。そしてまたしてもルーブルが売られ、インフレ懸念も台頭する……昨今の日米やEUと違って、露での金融政策の困難さが浮き彫りになっている。