原油安の影響③ 原油安 「暗」があれば 「明」もあり……だが。

 今日の日経朝刊1面トップに、昨今の原油安によって石油元売りと商社どころが合わせて1兆もの損失を被る一方、燃料コスト安に貢献する海・空運や電力どころの業績が、計画を上回ろうという記事が出ていた。商社で丸紅と住友商事は昨日以前の既報通りだが、石油元売りと住友金属鉱山等の非鉄金属、中でも石油備蓄法で70日分の在庫備蓄義務を課せられている石油セクターは評価損が大きく発生している。

 WTI等の原油価格が1バレル50ドルを割った辺りで、石油元売りのJXホールディングスは3500億もの評価損、その他東燃ゼネラル石油コスモ石油等も500〜1000億を被っているようだという。

 一方で航空や船舶セクターは恩恵をフルに受ける。ANAは4−12月期の営業利益が前年同期比3割増の900億前後の模様、日本郵船は同じく経常利益が2割増の590億前後、川崎汽船も4割増の420億前後……といったように、期初に想定がなかったであろう数割増益に及ぶ。

 14年度第3Q決算の発表が相次いでいるが、そういった「暗」と「明」の分析は発表が一段落した段階で、また日経にまとめてもらうしかない。あと10−12月期のGDPの速報も来月発表だろうし、それも含めた考察が必要になる。