29年ぶりに出てきた箕島高だったが……

 今日が初日という第95回夏の高校野球は回数が回数だけに記念大会というが、何より、かつて三昔ほど前(?)は和歌山代表として優勝候補でもあり、現に79年に春夏連覇を果たした箕島高が復活ののろしを上げてきた……と思ったが、今日の第3試合、4度目の出場で大会未勝利という山梨の日川に4−2で敗れた。
 ホントに僕が大阪在住の小学生当時の箕島は、大阪のPLや奈良の天理その他と並ぶ近畿勢屈指の強豪で、PLが先に敗れると「オレ(府内)箕面(市)の生まれやから、今度箕島応援するワ」と、「箕」つながりに過ぎない意味不明のセリフを吐く近所の輩までいる始末(?)なほど、県境を隔てて府民には脅威の存在だった(!)。
 しかしいつの間にやら「和歌山といえば智弁和歌山」が定番化(?)、逆に「そういえば箕島ってどこ行ったんや!? まさか過疎か何かで廃校にでもなったんか!?」とまで思ってしまうくらい(?)影を潜めていった。廃校になったんではなく、和歌山大会で智弁と当たったか否かにかかわらず、昔日の面影なく毎回敗れていたわけだ。
 今回の和歌山大会はその毎回のように優勝候補の、かの地の「絶対王者智弁が3回戦、7月20日の第2試合で紀北工に2−1で敗れ、和歌山大会9連覇を逸す波乱が起きた。そんな中「かつての王者」箕島は、智弁とは当たらなかったがコールド勝ち1回を含め、決勝も南部に10−1で快勝し、夏の大会は29年ぶりというから実に84年(昭和59年)以来の復活だった。それは主催紙の朝日も、今日の朝刊10面(オピニオン)の社説で取り上げるはずである。
 そういえば高校野球というのも、長期的に見れば残酷な弱肉強食の世界にも映り、かつて本戦の常連で地元外でも馴染み深かった学校が、今や地方大会すらなかなか突破できずに敗れ去ってしまい、挙げ句地元外からは「あの学校は今!?」とまで思われてしまう例も多いと思う。現に大阪でも今や絶対王者はPLでなしに、折しも今日いきなり出てきて快勝した昨夏の覇者・大阪桐蔭なのかと思うくらい、王者交代というか世代交代というか、高校野球の次元でも容赦なく新陳代謝が促進される、そんな勝負の厳しさを実感する。