鉄鋼“世界王者”の苦戦続く……“新日鉄住金”にとり「明日は我が身」か「千載一遇のチャンス」か!?

 今日20時42分配信の日経電子版に、鉄鋼世界最大手アルセロール・ミタルが発表した12年1〜3月の純利益が、前年同期比何と99%減(!)の1100万ドル(約9億円)と低迷したと出ていた。売上高が2%増の227億300万ドル、粗鋼生産量が3%減の2280万トンと伸び悩み、未だ債務問題に揺れる屋台骨の欧州事業が、前年同期約1億ドルの営業黒字から一転、2億8400万ドルの営業赤字に沈んだという。
 依然“世界王者”といえども欧州問題に喘いでいるわけで、こういう現状を株主たる僕的に、また、発足まで5ヵ月を切った“新日鉄住金”としてもどう捉えるべきか考察すべき時だろう。確かに今日も今日とて東証新日鉄が昨日比1円高の188円、住金が2円安の136円と株価低迷が続いていて、御多分に漏れず欧州問題とそれに付随する為替の再度の円高基調(今日対ドル・ユーロで79円台後半・103円台前半)があるにせよ、鉄鋼自体も世界的に依然厳しい環境下にある象徴ではある。
 しかし大逃げを打っているアルセロール・ミタルを、やがて2番手に上がってマークする新日鉄住金にとって、「明日は我が身」と思って萎縮するか、いよいよ逃げ疲れと見て「千載一遇の差し切り勝ちのチャンス」と捉えるかで、天地雲泥の差が生じるのは明らかだ。