総合商社10年越しの種蒔き実を結ぶ……これぞ円高メリット(!)。

 今日の日経朝刊1面トップに、三菱商事三井物産その他大手商社7社が今期末、海外子会社から受け取る配当が過去最高の1兆円超の見通しだという記事が出ていた。鉄鉱石等の資源価格の堅調さで今期の業績も好調である貿易業務が主軸ながら、そうした事業投資も新たな柱に育ててもう10年になろうといい、「桃栗3年、柿8年」ではないがここへきて丹念に種蒔きをし、発芽させ、芽を大事に育ててきて実を結び始めた感がある。
 受取配当金の多寡の順は,海外油田、ガス田、鉱山等の権益、海外IPP(Independent Power Producer:独立系発電事業者)で、今後は水道や食料等も有望だという。それに……
 「三菱商事はチリの銅山子会社に4200億円の出資をはじめ、今期1兆円の投資」
 「伊藤忠商事は米投資ファンドと組み米石油・ガス会社を5400億円で買収」
 「三井物産は豪鉄鉱石鉱山で拡張工事を実施」
といったように今期総合商社全体で3兆1800億円、来期も3兆円レベルが確実視される、そんな強気の投資続行の背景には、1にも2にも円高だという。そこへ欧州債務問題でかの地域の金融機関がリストラで手放した、割安な投資案件を円高メリットで入手しているものだから、いわば笑いが止まらない状態(?)……いや、やはりウマくやっていることになるようだ(!)。