10月の粗鋼生産量はマズマズだったと思うが……

 今日15時の休憩中に日経電子版携帯用を見ていて、14時46分配信の記事として日本鉄鋼連盟が今日発表した10月の粗鋼生産量が、前年同月比0.3%減の948万トンと、2カ月連続で前年実績を下回ったと出ていた。自動車や電機向けの転炉鋼が1.9%減の720万トンと2カ月連続で減少の一方、建材向け電炉鋼は5.3%増の228万トンと、4カ月連続の増加。前者は円高進行による競争力低下で海外向けの生産が減少したことなどが響き、後者は東日本大震災で止まっていた住宅やビルなどの需要が回復した。
 なお、タイでの洪水問題による粗鋼生産への影響は限定的だったが、鉄連曰く「その9〜10月の鋼材契約分は数カ月遅れで出てくるため、今後その分の落ち込みが出る可能性がある」という。
 しかし15日付日経朝刊29面「景気指標」を見ると、昨秋来、粗鋼生産量が900万トンラインを往来するに過ぎなかったデータが並んでいるので、ここへきて900万トン台半ばまでマズマズの回復を見せたと受け取るべきだ。前年同月比ばかり見るからヘコむんであって(?)、時系列の推移も合わせ見るのが大事だろう。