歴代3冠馬の中でディープ共々“語りようがない”馬だったが……

 今年は競馬で皐月賞・ダービー2冠馬オルフェーヴルが来る23日の菊花賞(G1・芝3000m・京都)で3冠がかかるが、先の神戸新聞杯が大楽勝だったので、この中間無事なら3冠間違いなしと見る。単勝1.5倍くらいのダントツ1番人気は必至だが、05年ディープインパクト以来6年ぶり史上7頭目の3冠達成確実だろう。19日後に馬券を買うことがあれば、馬単1着固定の2〜5番人気馬2着固定とした3〜4点流しで十分と思う。
 それにしても僕的に過去6頭のトリプル・クラウン・ホースの中で、戦前の大昔の1頭セントライトは資料等が皆無なのでともかく、シンザンミスターシービーナリタブライアンこそ特番等の映像や書籍等をもとに色々感想を語れるが、シンボリルドルフとディープだけは語りようがないのだ。あれだけ殆ど連戦連勝できた2頭で……国内で負けたレースが、ルドルフが84年の3冠達成直後のジャパンカップと85年天皇賞(秋)、ディープが05年有馬記念、たったそれだけだが負けといっても一応2〜3着は確保し複勝その他の馬券にはなっていて、生まれて初めて負けたレースがJCなり有馬だというのだから、それこそ「負けて強し」である。映像や資料等を取り寄せても、「ハイ、見ての通り!」としか言いようがないのだ。同じG1・7勝ながら3冠馬ではなくクラシックは99年皐月賞だけ、ダービー3着、菊花賞2着に終わったが、翌年から丸2年で更にG1を6勝したテイエムオペラオーの方が、最後の有馬で裏切られたこともあって(?)10年ほど経た今もまるで昨日のことのように色々語れる(!)。
 ルドルフの活躍当時はまだ高2〜高3で、競馬は見れても馬券は買えなかったが、もとより競馬には後年92年まで全く無関心だったので、「シービー19年ぶり3冠達成」「ルドルフも3冠達成でこれで2年連続」「シービー・ルドルフ2頭の3冠馬3たび揃い踏み(84年JC・有馬、85年天皇賞・春)」と言われても、全く気付かずにいたわけだ。しかし92年から競馬を覚えて、翌93年……この年のとりわけ秋競馬は今思えば自分でも驚くくらいおしなべて好調で(?)、極め付きが暮れの第38回有馬記念だった。馬連3290円を取ったせいもあるが、骨折による長期休養のために僕的にずっと買うに買えず、やっと買えたトウカイテイオーがよもや来るとは、ましてや勝ちに行ったビワハヤヒデを差し切って勝つとまで思っていず、テレビの前で泣いてしまった(!)。予想段階では、ビワハヤヒデウイニングチケットライスシャワーを本線に、穴馬ならマチカネタンホイザと思い、テイオーは「来なくてもいいから買いたかった」というわけだった。競馬を見て泣いたのは今のところその有馬だけで(!)、そろそろ18年経つ今も思い出すたびウルウルくる(!)。ただ欲をいえば、マチカネは4着だったのだが2に来てくれれば確か万馬券で、ビワとウイニングで決まっても10倍超つくのでそれら5頭の馬連BOX(馬連10点)を買ったから、超感動&大儲けで93年を締めくくれていた(?)。
 テイオーはルドルフ産駒で、言わば「一生の思い出」を2つもくれたわけだ……そんなシンボリルドルフが今日30歳での訃報を、15時台の休憩中に日経電子版携帯用で知り、そういう思いに浸った。ルドルフが余生を送っていた千葉県成田にある牧場によれば、2〜3日前から体調を崩していたものの死因はまだ不明といい、老衰か、急死だったので心不全とか、馬のことなので腸捻転や腸閉塞その他の消化器官の病気かもしれないが、現役時代、体つきから内面まで当時の史上最強馬に相応しかったともいい、未だに信じられない。スリッパのような形をした「シンザン鉄」なる蹄鉄で、知らず知らずのうちに心肺機能や脚力が猛烈に鍛えられたシンザン以上に長生きし、40まで生きるかもしれないとも思っていたので、その点は残念である。合掌……