やはり人気シリ−ズか『路線バスの旅』。

 そして今日、ようやく日曜日の休日になったので、朝若干の寝坊を楽しんだ後8時半に起き上がり、昨夜留守録し6〜7割方見終わったテレ東系『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の続きからエンディングまでを、朝食を摂りながら見終えた。
 しかしまさか、1日目にJR山陰線・出雲市駅前でのオープニングで蛭子能収も不安を訴えていた「たった3泊4日で鹿児島・枕崎まで到達不可能」と僕も思っていたのが、3人の頑張りでよもや無事ゴールするとは思わなかった。「山口県内はさることながら、九州に入ってJR鹿児島本線沿い、ましてや九州新幹線・鹿児島ルート全通の今となっては、あちこち廃線になっていて3回目の無念の断念に追い込まれるんじゃないか」とも思っていたのを見事に覆して見せたわけだ。
 それにしてもこのシリーズ、奇想天外な企画だけあって、あまりに無難すぎて(?)マンネリ化しつつある旅番組の中で秀逸かもしれない。とにかく過去の録画を何度見ても飽きないのだ。それは、僕ら視聴者が真似できそうでそう簡単に真似できそうもないからなのが、一番大きいかもしれない。また、昨夜綴った僕のブログのアクセスが、今日も21時台において20件弱にのぼっていることが、それを裏付けているようでもある。
 しかし余談だが、太川陽介はまだアラファーで若いからまだしも、蛭子能収はもうアラカンに入り体力面・健康面で不安があるかもしれない。特に止むに止まれぬ何kmもの「徒歩連絡」の際には、息タエダエで脚もガクガクと前のシリーズでこぼしていたから、今後もシリーズを続けるならもうそろそろ蛭子降板、他のアラフォーと思しき中堅俳優とかお笑い芸人とかに若返りを図った方がいいかもしれない。
 ただ、蛭子のオトンは(?)大ボケキャラな反面で、なかなかの文化人でもあるのは時折感心する(!)。今回の旅の初日、17時台に島根のJR山陰線・益田駅前から津和野(駅・温泉)行き石見交通バスの車内で、太川が「なかなか島根は“手強い”」……つまり簡単に島根から山口への「県境」越えを果たせないボヤキを聞いて、蛭子曰く「“国境”を越えるバスはあるから、少なくとも“国境”は歩かずに済む」と言ったのだ。「“国境”じゃないってば……」(太川)、「県境か……!?」(蛭子)、「ホラ、前のお客さん(座っているオバサン)笑ってるよ!?」(太川)、「国境はちょっとねぇ」(客)、「蛭子さん、国境は……(笑)」(ナレーション)。
 こんなやり取りが、放送冒頭からCMを含めて29分後にあったものの、いやいや、蛭子もなかなか雅なことを言うものだ(!)。何が雅って、「県境」を敢えて「国境」と表現したこういう小説があるではないか……「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった……」(川端康成『雪國』)……太川もそのオバサンも、この一節を知らぬはずもなかろう。