新日鉄株主総会の抄録……住金との関係悪化への要因が潜んでいないか!?

 今日の日経産業新聞22面(素材・エネルギー)左上にある囲み記事「取材ファイル」に、先週24日に開かれた新日鉄株主総会、その抄録的記事が出ていた……丁度先週の住金と同じ体裁だ。しかし僕的には、1面トップとまでいかなくても、最終面「News Edge」でやや大きく取り上げてくれるとほのかな期待があったのだが、仕方があるまい。
 そして住金と違って新日鉄では終始ポジティブな進行だったようで、株主の中に「来年の総会は何処でやるのか?」と質問して笑いを取った人が(?)いたようなのだ。現在の本社は新日鉄が東京、住金がそもそも住友グループのメッカでもある大阪で、来年も双方で個別に開くが、“再来年以降”は確かにまだ新社名から本社所在地から合併比率から一切合切未定なので、双方の合併協議が無事終結した段階で発表するとか、そんな感じだと思う。
 また、「双方のグループ統合の青写真」「それに伴った人員削減の有無」という質問には、それぞれ「連結対象ベースで単純に延べ440社にのぼり、類似会社の統合は進めたい」「一方、グローバル化の対応で削減どころか人手不足なくらい」といった質疑応答もあった。
 ただ、抄録ながらちょっと懸念したのは、新日鉄側が経営陣も大株主も“フィアンセ”の住金に対して“上から目線”になってはいないかということだ。企業規模はさることながら、株式時価総額でも“ダブルスコア”の開きがあり、公取委の合併審査をクリアした暁以降であろう本格的な合併協議において新日鉄が態度まで「Lサイズ」に陥りはしないかと、それが全くの間違いであってほしいという要らぬ心配をしてしまうのは僕だけだろうか。もしその懸念が僕の競馬と真逆でズバリ的中し(?)住金に逆ギレされる事態になったら、「(新日鉄も住金も提携している)神戸製鋼は独自路線を歩むというから、住金もそうさせてもらう」と急転直下の“婚約解消”という最悪な事態まで可能性として噴出する。
 僕如きが今更もう言うまでもないことだろうが、今回の合併計画のそもそもの主眼は、アルセロール・ミタルポスコその他を相手にしての国際競争で戦い抜くためのはずだ。だから未だ“なんちゃって株主”の僕を含めた(?)新日鉄のオールステークホルダーは、くれぐれも住金に対して謙虚に謙虚を重ね着したような姿勢でいなければならない。