PERの変形(?)「CAPE」では割安な新日鉄株。

 今日発行の日経ヴェリタス第170号(12日〜18日)48・49面(フォーカス)に、目下市場で知る人ぞ知る4つの株価指標が紹介されていたが、49面にあるその中のひとつ「CAPE」に目を奪われた。
 僕もよく取り上げるPER(Price Earnings Ratio:株価収益率)やPBR(Price Book−value Ratio:株価純資産倍率)は共に最もポピュラーな株価指標だが、今回初めて知ったCAPE(Cyclically Adjusted PER)は、従来PERが単年の予想1株利益を使うのに対して過去5〜10年平均の1株利益を使うという(!)。特に今年度は先の大震災の影響が色濃く残って、年度末の1株利益予想が非開示・未公表の上場企業が多く、反対に“既に過去となった”データなら確かにそんな事態も何処吹く風で取り組める(!)。「そんな視点があったのか……!?」とまず驚いた次第である(!)。
 そしてページ右側に「CAPEでの割安銘柄」という25銘柄のランキングがあり、「CAPE過去中央値からの乖離率」のもちろんマイナスパーセンテージの大きい順に並べられていたが、2番目に住金(CAPE3.7、乖離率▲85.9%、今期予想PER26.6)、8番目に新日鉄(4.1、▲80.5%、17.3)が出ていた。まあ両株共これを見れば割安だとも判断できるが、従来PERやPBRからはまだ若干なりとも下げ余地がなきにしもあらずと僕的には思う。