新しい利益名(?)「包括利益」とは何か……?

 今日の日経朝刊15面(投資・財務)トップに、今回発表を済ませた3月期決算企業(金融・新興2市場……JASDAQ・マザーズか……を除く)のうち前の期(10年3月期)と比較可能な1479社について、包括利益が41%減になったという日経の集計がなされたと出ていた。21日付朝刊「きょうのことば」で最終損益(純利益)の説明があったが、今回も傍に包括利益の説明があり、「純利益から更に保有資産の時価変動等も考慮した利益指標。米国会計基準国際会計基準(IFRS)には既に概念としてあり、日本の会計基準もそれに沿うようにと今年3月期から開示が義務化された」とあった。また、その「保有資産の時価変動等」とは、1.長期保有有価証券の含み損益 2.海外子会社の円建てで算出した資産の変動額 3.少数株主損益その他etc…を言い、まさに「リアルタイム利益」「日進月歩利益(いや“秒進分歩”か!?)」である。
 それだけに記事の本文でも、株式・外為市況といった外部環境という企業努力外の要素で変動するから、投資指標として定着するかどうかと現時点で疑問視している。