米国の金融緩和継続観測でドル全面安というが……

 今日の日経朝刊3面(総合)に、ここ数日の円高模様は米国の昨秋からの総額6千億ドルにのぼる量的金融緩和「QE2」が当初予定通り6月に終了しても、急激な金融引き締めには至らないとの市場の見解があると出ていた。先日かの国で失業保険申請件数が発表になり市場予測に反して悪化した数値だったため、以降ドルが他通貨に対して全面安であるようだが、ここのところ失業率自体がジリジリ下げてきていてNYダウも堅調に推移、逆に欧州アジア新興国共々そろそろインフレ懸念が台頭してきて不思議でもないはずなのだ。だから決して「急激な引き締め」でなくして「ジリジリ引き締め」くらいはあってもいいはずなのだ。「急激」はかつて日本も「失われた10〜20年」という失敗経験、つまり当時の公定歩合(現・基準貸付金利)を短期間で2.5%から6%に、今思えば急激に引き上げたことがあるので、米のみならず主要国だってそんな轍は踏まないはずだ。
 しかしどうやら昨日の疑問はそんなことから一応解けたようで、来週FOMC・FRBの会見があるともいうし、それに対する日銀の出方共々楽しみにしておきたい。