しばらくは「円安懸念・円高期待」というべきか……!?

 今日財務省が発表した3月の貿易統計速報(通関ベース)で案の定、東日本大震災並びにその後の計画停電の影響で輸出が16ヵ月ぶりに減少、貿易黒字も78%の大幅減となった。自動車や半導体を中心に生産が停滞し、輸出額は前年同月比2.2%減の5兆8660億円、貿易収支は前年比78.9%減の1965億円で、4月は更に資源高の影響もあって貿易赤字もあり得るとしていた。
 こうして経済的な面で見ても、やはり今回の大震災と16年前の阪神大震災とでは同じ大震災と呼んでいても全く異質なのがわかる。当面輸出ドライブが海外での風評被害と相俟ってなかなかまかりならない一方で、ただでさえ1次産品の高騰が続いているところへ円安では輸入物価上昇ドライブが起きて仕方がない。
 株式市場では未だ円安が買い材料円高が売り材料になっているようだが、当面はそろそろ逆の見方が必要ではないか。もっとも、どこの企業が完全復興を果たし輸出ドライブ再開を果たせるかが焦点にはなりそうで、その時もし久し振りに1ドル90円近辺なら円安メリットを享受できるんだが……!?