今更配当利回りで買い出動は遅いか……?

 今日の日経朝刊19面(マーケット総合2)に、東証1部上場企業の予想配当利回りが下がってきているという記事が出ていた。配当が増額基調なもののそれ以上に株価が堅調なためで、いわんや今年になって増配を決めた企業の株価においておや。実質あと1ヵ月の間に期末配当目当ての買いが入る期待が出ているという。
 今年増配を決めた企業のリストが8社ばかり出ていたが、中でも僕が注目したのが三井物産(8031)だ。昨日終値(1502円)時点での利回りが3.1%、株価騰落率(昨年大納会比)12.0%といい、記事でも同社が去る2日、前期比何と29円もの増配で47円(!)(従来予想7円増)に決めたと出ていた。同株は大発会での終値が1374円だったので既に130円弱上げており、「今更買いに出ても遅いかも……」と記事を読みながら心中ため息をついた(?)。もっとも僕的に1500円もの株価は立派な「値嵩株」といってよく(?)、たった10株でも1万5000円はさすがに手が出にくい。
 ここで少々ウンチク的余談だが、日経新聞がもともと三井物産の事実上の子会社だったことは、今はもうあまり知られてはいまい。というか、日経新聞関連書籍や三井物産社史などを持っているマニアしか知るまい。何しろ歴史と化したような、こういった相当古い話だから……
 1876年(明治9年)、物産創業者の益田孝が渋沢栄一らの助力を得て、主に1次産品の値動きを伝えるべく「中外物価新報」の名で創刊されたことがそもそもの嚆矢だ。『日本経済新聞社百年史』等を読むと、当時の物産の一セクション「中外物価新報局」が紙名の由来で益田いわく「中外は自費を投じて創刊した」というが、三井との資本関係は、紙名を「中外商業新報」に改めて更に後の1941年(昭和16年)、まさしく戦乱突入の雰囲気の折、中外が三井から完全に株式譲渡を受けるまで続いた。
 なお、毎週日曜日付朝刊に「中外時評」という大きめのコラムがあり、編集・論説スタッフが1人ずつ持ち回りで社説に匹敵する量と内容の論述を展開しているが、コラム名の由来は多分そのことだろうと思う。
 もちろん現在は三井物産と日経の間に資本関係も人的交流もないが、物産本社と日経東京本社の所在地が共に都内の大手町1丁目で目と鼻の先なのと、5年前の2006年、共に創業130周年を迎えた折、中外創刊記念日にもあたる12月2日付だったか、日経朝刊に益田孝の写真入りで「創刊&創業130周年」の全面広告を打っていたことから、再びルーツを思い起こさせた感がある。

 まあ今現在、従来述べてきた信念も半分あって新日鉄50株を保有しているが、利回りが0.9%台後半辺りなのに加え去る3日夕刻に住金との合併を発表、翌4日に買い出動に出て目下「高値掴み塩漬け中」……500〜600円の評価損を抱えたまま今日まで来ている。確かに記事にもあった通り、期末に配当目当ての買いが入るとの読みが僕にもあるし、豪州の大雨・洪水による鉱山のピンチが原因の一つの原材料価格高騰も、その時分には見通しがつくとの僕的期待感がある。
 しかしこうしてみると、やはりもう1度ポートフォリオを綿密に組む必要がある。つまり新日鉄もいいが他にせめて1〜2銘柄追加買い出動に出た方が、第一楽しいはずだ(!)。今月24日に給与明細を受け取り25日に支給されるが、24日の明細の内容次第では25日0時以降に銀行口座からSBI証券の口座に資金を移し替え(もちWebで!)、25日後場寄りで狙った銘柄の買い出動の手続きをとるべきかもしれない。