朝日朝刊に「フジ系ドラマ史」が……!?

 今日の朝日朝刊34面に、フジテレビが1959年(昭和34年)3月から昨年一杯までの実に52年……半世紀もの間に放送されたドラマのタイトルのみがズラ〜ッと一覧で並べられた全面広告が出ていた。かねてから言っている通り僕は産経をとっていないので知らないが「なぜに朝日に!?」……それでも実に面白い広告だと思った。
 しかし如何せん、いわゆる「月9」も含めたドラマは19年前の92年4月の『素顔のままで』……安田成美、中森明菜、東幹久、的場浩司鶴見辰吾児玉清あめくみちこ、といったキャストのドラマしか見なかったといってよく、その前の『東京ラブストーリー』(91年1月)や後の『踊る大捜査線』シリーズ等々山ほどあろうヒットドラマは、今もそうだが一切見ていない。早い話がぶっちゃけドラマ嫌いで、無論それはフジ系に限らずNHKを含む全局皆そうだ。
 そもそも「月9」のゴールデンタイムはかつて欽ちゃん番組で長らく楽しんできた。特に『欽ドン 良い子・悪い子・普通の子』で80年代の大半を、週明け憂鬱な月曜日のせめてもの楽しみでエンジンをかけてきた思い出がある。そういう昭和世代もかなり多かろう……しかし85年(昭和60年)だったか、突如降って湧いた「萩本欽一休養宣言」によって当時の欽ちゃん番組が次々打ち切り、唯一残った『欽ドン』も確か87年3月だったか、丁度国鉄分割民営化に合わせたわけでもないだろうが(!?)惜しまれつつ終わってしまった。その空いた枠にドラマが入ったのが「月9」の嚆矢だ。
 ただ今はドラマ嫌いといっても、昭和時代つまりガキの頃は色々見た記憶がある。しかし殆どTBSやテレ朝、日テレ系で、こうして広告を眺めるとあいにくフジ系はかなり少なかったようである。一方で曲がりなりにもそれらのドラマを見てきた人にとっては、ストーリーばかりか当時の自分周辺の記憶が走馬灯のように蘇り、懐かしさと感動で日長1日ず〜っと広告を眺めながら、ふと涙ぐんでしまうような幸せに包まれたんじゃないかと思う。『歌は世につれ、世は歌につれ』というが、『ドラマは世につれ、世はドラマにつれ』もありだろう。