「世界最強のカルテル」の結束や本当に如何に…?

 東欧オーストリアの首都・ウィーンで14日開かれたOPEC(Organization of the Petroleum Exporting Countries:石油輸出国機構)の総会で、昨今の原油価格1バレル80ドル台に一応満足し、現行の生産枠である日量2485万バレルを維持する議決をしたという。
 そして今日の朝刊。毎日と日経でその基本的なこと以降取り上げている方向が違っていた。どちらも短信だが、毎日6面(政策・総合)では生産枠が軒並み加盟国で守られていないことから、OPECの諮問機関・閣僚監視委員会が文字通りニラミを利かせるという。
 日経9面(国際2)では今年の創設50周年を機に「長期戦略」を採択、12月のエクアドルでの臨時総会で詳細を発表するという。それは思うに世界的な省エネや太陽光等のニューエネルギーの導入、あと何をさておいても米国発のグリーン・ニューディールによって、かつてのダブルオイルショックによる原油依存度低下が進んでいることへの「危機感」からなのだろう。
 こうしてみるとOPEC内の結束が、果たして乱れ気味なのか、やはり「最強のカルテル」らしい結束力なのかよくわからない。ただここで一転、もし増産に踏み切れば折角の80ドル台が急落しかねない点では一致をみているようで、どうやら「抜け駆け」「裏切り」(?)を謀る加盟国はいなさそうだ。
 なお……なぜ朝日では全く取り上げていないのか、これも不明だ。