「或る『小倉日記』伝」はかつての課題図書だった。

 今日の日経夕刊最終10面(夕刊文化)「文学周遊(第223回)」に、松本清張の1952年芥川賞受賞作「或る『小倉日記』伝」が取り上げられていた。作品の「ミニ舞台裏」と清張の略歴、JR小倉駅周辺の略図が掲載されていたが、
 「あ〜、それって高校時分の夏の課題図書だったんだワ」
と思い出した。ただ2年の時か3年かどちらかは忘れた(!?)。
 因みに1年の時が、ショートショートの第一人者で今は亡き星新一『人民は弱し 官吏は強し』という長編小説で、当時は今と違って読書はもちろん新聞嫌いで通っていたから、現社の「夏休み中の3日分の新聞社説を切り抜き、感想を添えて提出せよ」共々その宿題は見事シカトした(!?)。ただこれには後日談があり、高校卒業後ふとしたきっかけでその本を手に取って読み始めたところ、何とあろうことか止まらなくなった(!?)。そして何だかんだと3〜4日かかったか、ついに読破してしまった……こんなことなら1年の課題図書感想文だけは出しとくんだったと後悔した次第である。
 まあ、それでも読書習慣が身につく契機になった作品のひとつで、かけがえのない思い出といっていい。何しろその翌年にはついに人生を変えた一冊……杉山隆男さんの『メディアの興亡』(文藝春秋)にめぐり逢うんだから、その後悔は既にチャラ以上になっているから良しとしたい(!!)。
 2・3年の時がその清張か、森鴎外の『ヰタ・セクシュアリス』だったが、どっちがどっちかは忘れてしまった。しかし清張の方は短編のためすぐ読めたので感想文を提出した。