婚活表明すると結婚できないのか?

 3月20日に述べた「かつて恋した女性が昨晩夢に…」へのアクセスが、今日18時時点で5件あるのを解析で確認し、以前にも確かに殺到とまでいかないもののコンスタントに数があったりしたので、追加で述べたいことがある。
 大阪にいた91年当時アラトゥー前半だった僕は、7月、今はもう既に時効だから社名・事業所を明らかにしてよかろう……松下電器産業(現パナソニック)(株)ディスクシステム部(後の光ディスク事業部→AVC社)の職場で見初めたヒトに2度アプローチした。まず20日頃、丁度今で言う「海の日」、もっともまだ祝日化されていなかったが土日の1泊2日、職場有志で京都府若狭に海水浴に行った。その帰りに、土産物屋でソッと買った彼女のファーストネーム入りキーホルダーをさり気なくプレゼント……もっとも彼女はしきりに遠慮していたが、物が物だけに自分が持っていても仕方がないのはもちろん他人にもまわせないため、やや強引にあげてしまった。
 次に3月20日にも述べた運命の25日昼休み、天神祭船渡御に誘って断られ、今日のダービーよろしく見事撃沈(!?)。ただその時というのは、同じ課でありながらグループが違い建屋の階も違っていたので、どうしても社員食堂でしか顔合わせできなかった事情があり、彼女にしてみれば何の予告もなく急に言われたので都合がつくわけもなかったようだ。現に「地元の盆踊り大会」の運営があったと言っていて、そこへ急に「天神祭」と言われても、それはさすがに明らかに僕が逆の立場でも困っていた。そこでまた作戦の練り直しを迫られたわけだ。
 しかし、いよいよ事実上この恋を諦めざるを得ないことが起きた。その後秋頃か、彼女のいないグループの飲み会で食と酒が適度に入って興が乗ってきたその時だった。普段から口の軽い同期のひとりのバカヤローがこう切り出したのだ。
 「山川、好きなヒトがおるんやろ!?」
 来たか…!確かにそういう場でそういう話以上の酒の肴はないが、ワガママながら僕としてはそっとしておいてほしかったのだ。しかしそいつは今で言うKYなのか、更にたたみかけてきた。
 「何やったら(彼女に)伝えたってもええで!?」
 彼女へのアプローチに失敗して数ヶ月、その間次なる作戦に悩んでいたが、その瞬間吹っ切れた!よし、もうこの話はなかったことにしよう……そこでそのバカに言い返した!
 「さっきから名を伏せてるが、一体誰やねん!?」
 「言うてもええの!? ホンマにええの!?」
 「ああ!」 
 「◯◯さん!」
 「……◯◯さん……か……」
 「何ならゆっといたるで!?」
 全くそのバカの言い草には、仮に僕らが結婚にまで至っても「決して喜んでやらへんし、祝ってもやらへんで!」という気持ちがアリアリで、本当に悲しかった。まさに3月20日にも述べた「大阪人特有の妬みツラみ」爆発で、数いる同期の中で僕が先陣切って結婚に至るのが、相手が美人なこともあって面白くなかったのだろう。また、そこで僕に貸しを作っておくことで、後々色んな場面で僕をコントロールしようと考えたかもしれない。まさに物の考え方が大阪人特有の馬鹿そのもので、余りにも呆れ果てまくって後年会社はもちろん故郷をも飛び出す遠因になったのかもしれない。
 ただ唯一そいつを、まあ仮にも丁度20年前の90年7月11日同日中途入社だったよしみで弁護してやれるとすれば、その後僕らに何の進展もなかったので、さすがに奴も「まずい!」と気付き悪かったと反省し危機感まで抱いたのか、「ふざけとったら◯◯さんに笑われてもうてん」「山川、彼女作らへんの!?」と色々水を向けて心配してくれたことだ。しかし僕としては91年秋の怒りは収まらず「(笑われることをわざわざすな…!!)ああ、彼女笑い上戸やからな」「(彼女作りだと!?)どうやって!?」と言い返すしかなかった。 
 先日NHKで落語家・春風亭昇太がアラファーにまでなって婚活してるのやら本当に本気なのやら分からないトークを展開していた。現実、日テレの『笑点』でも毎週のように冒頭の挨拶や大喜利のネタで婚活を力説しているが、アラフォーの僕から見てもまだ若いと思うし、現にあのキャラだから好感度抜群、モテないはずもないのになぜ…?
 また、かつての上方漫才コンビ「若井こずえ・みどり」の片方の、今は亡き若井こずえさんも、あくまでネタなのかプライベート上の本気でもあるのか「(私を)嫁にもうてぇ〜!おっ気軽にッ!」と絶叫してやまなかった。
 以上2人の例と僕とを比較するのは無理も無理なのだが、本質的に僕のふた昔前のことも考え合わせれば、「婚活表明すると邪魔が入ったり周囲が引いたりして失敗する」といえる面もあるのだろうか。ただしかし、応援してくれとまでは言わないから、せめて邪魔だけはしないでほしいと頼み込むしかないとすれば、人間として非常に悲しいのではないだろうか。