中印の鉄鋼事情、いと厳し。

 今日のまず日経朝刊28面(商品)に、中国の鋼材価格が欧州債務問題に伴う世界景気低迷懸念や国内金融引き締めによる需要減、そしてかねてから言われている鉄鋼メーカーの生産拡大によって急落しているという記事が出ていた。在庫がダブついているにもかかわらず、生産調整どころか逆にむしろ堅調に推移している不可思議な現象(?)については、5月11日付日経産業新聞から抜粋して要約したが、いよいよ早晩、かの国の業界も目が覚める運びになりそうだ(?)。
 ただそのお陰で、昨今の原材料高に苦しむ新日鉄を筆頭とする日本勢には、思わぬ助け舟になりそうだ(!)。世界有数の粗鋼生産国イコール鉄鉱石需要国の中国がようやく減産に入ってくれれば(?)、鉄鉱石価格の下押し圧力によって日本勢の年明け1〜3月期契約価格も下がる可能性が期待できると記事で結んでいた。
 そして後刻10時59分配信の日経電子版並びに日経夕刊3面(総合2)に、インドの業界ナンバー3・JSWスチールが鉄鉱石の調達難で26日付で7割減産を発表したという記事もあった。印南部・カルナタカ州という鉄鉱石の一大生産地があって、そこでどういう内容かまでは出ていなかったが違法採掘が横行、印最高裁が鉄鉱石生産の停止命令を出したのが主因という。なお件の企業は「何か社名が似てるな!?」と一瞬思った通り、何%かまで出ていなかったが日本のJFEスチールが出資しているとあった。
 23日の日刊工業新聞最終16面「深層断面」に出ていた例の「新日鉄住金特集」で、かの国には新日鉄が自動車用鋼板と鋼管の生産で、住金も自動車用鋼板とクランクシャフトの生産で進出済みで、加えて両社共高炉の建設まで検討中という。今回のこの一件で両社共軌道修正するやどうか全くわからないので、その辺は日経各紙や日刊工業を中心に続報を待ちたい。