「新日鉄住金」今日の考察記事は日経だけだが……

 3連休中日の土曜日の今日、日経朝刊9面(企業)トップに「新日鉄住金」に関する昨日までの続報関連の考察記事が出ていた。大別して2点……「『住友』の名が消える」そして「合併比率で住金株にプレミア!?」である。
 社名云々に関しては昨日の毎日朝刊にもあり僕も一昨日触れたが、一時「日本製鉄」の復活論も取りざたされていた。しかし1934年(昭和9年)に当時の製鉄7社の合同で発足した日鉄を巡っては、お隣韓国で戦前の徴用への補償問題があるということで、新日鉄としては当時とは一線を画したいらしく(できれば“旧日鉄”として忘れ去りたい……)、程なく候補から外れた経緯があったようだ。

 そしてもう一方が僕的に「重要案件」である(!)、今回1対0.735に決まる方向の合併比率に関して、決定に関与した財務アドバイザーの三菱UFJモルガン・スタンレー証券その他8金融機関から、合計27通りの評価レンジが提示された。市場株価や類似企業比較といった分析の末、うち10通りで0.735未満だった。その上、株式時価総額と市場予想EPS(1株利益)において、住金は新日鉄の各々52%・56%にとどまっていることから、その「コンマ2弱の差」がプレミアムになっている見方があるという。やはり住金のお家芸・シームレスパイプの存在がことのほか大きく、天然ガス需要の旺盛さで今後の更なる成長も見込める分がそのプレミアだろうとあった。
 僕的にも比率は住金のコンマ5、いや、百歩譲ってコンマ6だと思っていたので、返す返すも一昨日の日経朝刊のスクープ「コンマ7」は正直驚いた。のみならず、後刻発表になったプラスα(0.035)にも更に驚いた。コンマ7ましてやそれ以上は読みになかったので、財務アドバイザーとして比率を弾き出した8金融機関27件の数値のうち、10件がコンマ7あったかなかったかというのも頷ける。