産業空洞化に関する日経社説VS日経ビジネス特集。

 昨今の為替市場での1ドル76円台、のみならず先般NYで瞬間風速ながら75円95銭をもつけたハイパー円高の最中、今日の日経朝刊2面(総合・政治)にある社説の1本目に、発足したばかりの野田政権に「ハイパー円高→生産拠点の海外脱出→産業空洞化」に対する懸念の払拭に努めてほしいという論説があった。
 ところが、一方で5面(オピニオン)下半分に今日発売の日経ビジネス(9月5日号)の広告があり、どうせそんなハイパー円高ならいっそ海外へ“出稼ぎ”に出て、言わば産業空洞化でも何でもドンと来いと、ある意味開き直った方がむしろ日本経済にプラスだと説く大胆特集(?)があるという。そうなると、目下経済規模を表すポピュラーなGDPは、再び20年近く前までのGNPに取って代わられるという記述もあるようだ。早速久し振りに買いに行きたかったが、今日も今日とて残業だったので後日に回した……下手をすれば次の日曜以降に八重洲で買うことになるかもしれない。
 ただ、まだ読んでいないので想像の域を出ないものの、近い未来にそのGDP&GNPに関して仮に日経ビジネスの言う通りになったとしても、発表元の内閣府においてはGNPに取って代わってGDPの公表中止はしないでもらいたいと思う。確かに企業も個人も海外展開が加速すれば徐々にGDPの意義が薄れ、再びGNPの復活と相成るが、かといってすっかり定着したGDPをいきなり無くせば混乱が目に見えている。両指標の同時発表が望ましかろう。